農林水産省の試算では、わが国では食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は年間約500〜800万トン発生しているとされております。平成24年度の岡山市(以下本市)における組成調査では、家庭系可燃ごみに占める厨芥類のうち調理くず・食べ残しが93.7%、手つかずの食品は4.9%、食品以外(ティーバック等)は1.4%でした。岡山市全体での家庭からの厨芥類の排出量は53,000t(平成22年度)程度なので、手つかずで廃棄されている食品は2,600t以上にもなります。
食品がごみとして捨てられれば、食品資源の無駄になることはもちろん、食品製造・流通に使用された資源・エネルギーも無駄になります。そうした食品が多く含まれたごみは水分が多く、焼却炉の発電効率が下がる原因になっています。
反対に、食品を活かす方法としてフードバンク等に寄付すれば、社会福祉に貢献することもできます。
食品ロスの問題に向き合うことで、私たちの暮らしを環境・経済・社会等といった多様な側面と向き合うことに繋がります。
本事業では、本市で家庭から廃棄される食品ごみの実態についてモニター調査を行い、食品がなぜ廃棄されるのか、食品廃棄を減らすにはどうすればいいか、食品廃棄を減らすことでどのようなメリットがあるかについて、市民の皆様と共に考えることを目的とします。
事業は岡山市より委託を受け、廃棄物工学研究所が行います。本市における食品ロスの実態を把握するための方法は3項目あります。
公募による調査協力者(以下モニター)を対象に、計2回のごみ組成調査、食品ロス削減のためのワークショップを行い、家庭における食品ロスの実情を把握すると共に、ワークショップ前後での意識や行動の変化を検証します。
食品ロス削減のために自ら考え、行動する人を増やすためのプログラムを作成し、ワークショップ運営を通じて実施・改善を行います。また、プログラムに使用されたパワーポイント等の資料は、誰でも利用できるようにWebサイト等で共有しつつ、改善を図ります。
食品ロスの現状を広く訴え、その削減のために考え、行動する人を増やすための岡山市内においてシンポジウム「大切な食べ物がごみになっている?考えよう!食品ロス問題」を開催します。
シンポジウム前後においてアンケート調査を行い、参加者の意識や理解度について把握します。
一般市民の皆様を対象に開催いたしますので、多くの方々のご来場をお待ちしております。
食品ロスシンポジウムチラシダウンロード(表) |
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